冗談に殺す

阅读时间:2024年10月13日

感想

一面の鏡によって崩壊した、つまり、どんなに完璧な犯罪でも、自分自身が目撃者なのだ。

語彙

  1. 座談 ざだん モガ モダンガール的缩略大正年间到昭和初年的流行语摩登女郎当时被称为摩登女郎的女性特征是短发、洋装、将眉毛剔去然后在眉毛上方用墨画上细长的弓形、腮红明显、涂红色口红等一般用于贬义。 漫談 まんだん 彼女はズット前に、ある雑誌の猟奇座談会でタッタ一度同席した事のある断髪のモガで、その時に私がこころみた「殺人芸術」に関する漫談を、蒼白(あおじろ)く緊張しながら聞いていた顔が、今でも印象に残っているが、それが「女優生活に飽きた」という理由でスタジオを飛びだして、東京に逃げ込んでくると、所もあろうに三年町の私の下宿の直ぐ近くにある、小さなアバラ家(や)を借りて弁当生活をはじめた。
  2. 男装 だんそう 女扮男装。 同時に彼女の男装の巧さにも多少の興味を引かれたので、そのまま二人で絶対安全の秘密生活を始めるべく、自動車をグルグルまわしながら打ち合わせをしたのであった。
  3. ざまざ 清清楚楚,清晰,历历。 二人の秘密生活がはじまってから一週間も経たないうちに、彼女の性格の想像も及ばぬ異常さが、マザマザと私の眼の前に露出しはじめてからの事であった。
  4. 尖鋭 せんえい ……この女は外国の残虐伝(ざんぎゃくでん)に出てくる女性たちの性格を、モッと小さくして、モッと近代的に尖鋭化した本能の持主である……
  5. 不可抗 ふこう ……と同時に、その運命がみるみる不可抗的に大きな魅力となって、ヒシヒシと私を取り囲んで、息も吐かれぬ位グングンと私を誘惑し始めたのも、実にその寝顔を見下した次の瞬間からであった。
  6. 抹殺 まっさつ ……この悪夢をこの世から抹殺し得るものは、この世に一人しか居ない。
  7. ヒリスト nihilist虚无主义者。 同時に極端な唯物主義的なニヒリスト式の性格で、良心なぞというものは旧式の道徳観から生まれた、遺伝的感受性の一部分ぐらいにしか考えない種類の男であった……
  8. 精読 せいどく あの新聞記事を徹底的に精読してくれた、極めて少数の人々……もしくは直感の鋭い、或る種のアタマの持ち主は直ぐに気付いたであろう。
  9. 枯葉 かれは ただ街路樹の処々(しょしょ)に残った枯葉が、クローム色の星空の下で、あるか無いかの風にヒラリヒラリと動いているばかりであった。
  10. 犯行 はんこう 罪行,犯罪,犯罪行为。 私の完全な犯行をタッタ今まで保証して、支持して来てくれた一切のものが、私の背後で突然ガランガランガランガランと崩壊して行く音を聞いたように思った。
  11. 嫌疑 けんぎ 嫌疑をかける。 怀疑人。 「そうじゃないでしょう……何か僕に嫌疑をかけているのでしょう」 盗みの嫌疑がかかる。
  12. 遮二無二 しゃにむに 胡乱;盲目地;一个劲儿地,不管三七二十一。 私は腹の中で凱歌(がいか)をあげた。ここでこの刑事をおこらして、遮二無二私を捕縛(ほばく)さしてしまえばいよいよ満点である。
  13. 新米 しんまい 新手,新参加的人生手刚开始做某事项还不习惯的人,还不熟练的人。 私の背後の縁側からT刑事と、モウ一人の新米らしい若い刑事が、待ち構えていたように曲り角から出て来て、私の背後に立ち塞がってしまった。
  14. 谷底 たにそこ ……と……気が付くと同時に私は、自分の姿と向い合ったまま、無限の谷底をグングン落ち込んで行くような感じがした。気が遠くなってフラフラと倒れそうになった。

文句

  1. それは商売の警察廻りで、アラユル残忍な事件に神経を鍛(きた)えあげられて来た私でさえも、正視しかねた程の残酷な遊戯であった。
  2. ……彼女はモウ、これで完全に過去の存在として私の記憶の世界から流れ去ってしまったのだ。