痴人の愛

阅读时间:2024年10月28日

感想

語彙

  1. っくばらん 直率,坦率,爽快;心直口快,直言。 私はこれから、あまり世間に類例がないだろうと思われる私達夫婦の間柄に就いて、出来るだけ正直に、ざっくばらんに、有りのままの事実を書いて見ようと思います。
  2. 足かけ あしかけ 前后大约。 私が始めて現在の私の妻に会ったのは、ちょうど足かけ八年前のことになります。
  3. 技師 し 技师,工程师。  ここで私は、私自身の経歴を説明して置く必要がありますが、私は当時月給百五十円を貰っている、或る電気会社の技師でした。
  4. 総領 そうりょう 头生儿;初生子女;长子。 それに私は、総領息子ではありましたけれども、郷里の方の親やきょうだいへ仕送りをする義務はありませんでした。
  5. 境涯 きょうがい 境遇,处境,地位。 私は全く自由な境涯にあったのです。
  6. 娯楽 ごらく それで私の娯楽と云ったら、夕方から活動写真を見に行くとか、銀座通りを散歩するとか、たまたま奮発して帝劇へ出かけるとか、せいぜいそんなものだったのです。
  7. 橋渡し はしわたし 桥梁,中人;搭桥,当介绍人。 先ず第一に橋渡しと云うものがあって、それとなく双方の考をあたって見る。
  8. 方正 ほうせい 方正,端正。 田舎者ではありますけれども、体格は頑丈だし、品行は方正だし、そう云っては可笑しいが男前も普通であるし、会社の信用もあったのですから、誰でも喜んで世話をしてくれたでしょう。
  9. 朝夕 さゆう 早晚,朝夕。 発育 はついく 发育,成长。 のみならず、一人の少女を友達にして、朝夕彼女の発育のさまを眺めながら、明るく晴れやかに、云わば遊びのような気分で、一軒の家に住むと云うことは、正式の家庭を作るのとは違った、又格別な興味があるように思えました。

  1. 下戸 こ 不会喝酒的人,酒量小的人。 こう云うとひどく酒飲みのようですけれど、実は私は甚だ下戸の方なので、時間つぶしに、女の飲むような甘いコクテルを拵えて貰って、それをホンの一と口ずつ、舐めるように啜っていたのに過ぎないのですが、そこへ彼女が料理を運んで来てくれた
  2. 戸外 こがい 户外;室外。 ああ成る程、それで彼女は家にいるのが嫌だものだから、公休日にはいつも戸外へ遊びに出て、活動写真を見に行ったりしたんだなと、事情を聞いてやっと私もその謎が解けたのでした。
  3. 借家 しゃくや 租房,租的房屋。 話が極まると直きに彼女はカフエエから暇を貰い、毎日々々私と二人で適当な借家を捜しに歩きました。
  4. 晩春 ばんしゅん 晚春,暮春,阴历三月。 晩春の長い一日をあっちこっちと幸福そうに歩いていたこの二人は、定めし不思議な取り合わせだったに違いありません。
  5. ューリップ tulip郁金香。 「あたし、チューリップが一番好きよ」
  6. 挿絵 さしえ 插图,插画。 多分ナオミは、その子供らしい考で、間取りの工合など実用的でなくっても、お伽噺(とぎばなし)の挿絵のような、一風変った様式に好奇心を感じたのでしょう。

  1. 新居 しんきょ 私たちはしばらくの間、この珍らしい新居にふさわしいいろいろの家具を買い求め、それらをそれぞれ配置したり飾りつけたりするために、忙しい、しかし楽しい月日を送りました。
  2. りけり …によって決まる(ことで、一概には言えない)。 「そりゃ田舎にもよりけりだよ、僕の家なんか草深い百姓家で、近所の景色は平凡だし、名所古蹟(こせき)がある訳じゃなし、真っ昼間から蚊だの蠅(はえ)だのがぶんぶん呻って、とても暑くってやり切れやしない」

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文句

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