人間椅子
人間椅子
阅读时间:2023年7月21日
- 代物 しろもの 商品。货物。 宝物。有价值的东西。(価値あるもの。) 东西,人物,货色。称为评价对象的人或物。(ある評価の対象となる人や物。) それは、多くの場合、長々しく退屈極る代物であったけれど、彼女は兎も角も、表題丈でも見て置こうと、封を切って、中の紙束を取出して見た。
- はてな 觉得奇怪、疑惑时会说出的感叹词。(《感動詞「はて」+間投助詞「な」から》怪しんだり、考え惑ったりするときなどに発する語。) ハテナ、では、やっぱり手紙なのかしら、そう思って、何気なく二行三行と目を走らせて行く内に、彼女は、そこから、何となく異常な、妙に気味悪いものを予感した。
- 上物 じょうもの 高档品,上等货,高级品。 商会でも、私には特別に目をかけて、仕事も、上物ばかりを、廻して呉れて居りました。
- 睦言 むつごと 闺房秘话,枕边私语。(男女が(寝室で)睦まじくかわしあう言葉。) 私は妄想の中で、その人と手をとり合って、甘い恋の睦言を、囁き交しさえするのでございます。
- 味気ない あじきない 乏味,没意思,无聊。是「あじけない」较陈旧的说法。(あじけない。つまらない。) 私は、そうして、一つ一つ椅子を仕上げる度毎に、いい知れぬ味気なさに襲われるのでございます。
- 舶来 はくらい 进口,舶来。(外国から船によって運ばれてくること。外国から渡来すること。また、そのもの。) 商会が運動して、日本にも舶来品に劣らぬ椅子職人がいるからというので、やっと注文を取ったものでした。
- 傾斜 けいしゃ 適度の傾斜を保って、そっと背中を支えて呉れる。
- 荷車 にぐるま 大车;排子车;载货车。(人·牛馬の力で荷物を運ぶ車。) 荷車の振動が、私の身体にまで、一種異様の感触を伝えて参りました。
- 我物顔 わがものがお 像是自己的领土或领域一样摆架子或摆大脸。(自分の領土や領域であるかのように威張ったり大きな顔をすること。「我が物顔」「我物顔」などと書く。) 人がいないと、その辺を我物顔に、のさばり歩いています。
- 臀部 でんぶ 臀部,屁股。(「しり(の部分)」の意の漢語的表現。) 隔てる へだてる 私の太腿と、その男のガッシリした偉大な臀部とは、薄い鞣皮一枚を隔てて、暖味を感じる程も密接しています。
- 革張り かわばり 蒙皮子,皮面(的东西)。 まっ暗で、身動きも出来ない革張りの中の天地。
- 肘掛 ひじかけ (椅子的)扶手。(ひじを曲げてもたせかける所。) 肘掛け椅子。
- すみか 住处,家。(住んでいる所。住まい。) 巢穴,坏人聚居的地方。(好ましくないものの住む所。) これこそ、この椅子の中の世界こそ、私に与えられた、本当のすみかではないかと。
- 脂肪 しぼう 彫刻 ちょうこく
- 欧洲 おうしゅう 強国 きょうこく ある時、欧洲のある強国の大使が(日本人のボーイの噂話によって知ったのですが)其偉大な体躯を、私の膝の上にのせたことでございます。
- 賛美 さんび 赞美,歌颂。 私はそのあまりの美しさに卑しい考えなどは起す暇もなく、ただもう、芸術品に対する時の様な、敬虔(けいけん)な気持で、彼女を讃美したことでございます。
- 娑婆 しゃば 红尘,尘世,人世,人间,人世间,俗世。 (狱外的)自由世界。 私は、それを知ると、一時はガッカリ致しました。そして、それを機として、もう一度娑婆へ立帰り、新しい生活を始めようかと思った程でございます。
- 虫が(の)いい 自私。 私は、出来るならば、夫人の方でも、椅子の中の私を意識して欲しかったのでございます。そして、虫のいい話ですが、私を愛して貰い度く思ったのでございます。
- 一目 ひとめ 看一眼,一看。(ちょっと見ること。) たった一目、私の恋人の顔を見て、そして、言葉を交すことが出来たなら、其(その)まま死んでもいいとまで、私は、思いつめたのでございます。
- 冷水 れいすい 彼女は、背中から冷水をあびせられた様な、悪寒(おかん)を覚えた。
- 無躾 ぶしつけ 失礼,不礼貌。 幾重にも いくえにも 深深地,恳切地,万分。 突然御手紙を差上げます無躾を、幾重にもお許し下さいまし。
- 拙作 せっさく いくらか 多少,稍微。(そう多くない程度の量。少量。わずか。(副詞的に)少しばかり。幾分か。) 若し、拙作がいくらかでも、先生に感銘を与え得たとしますれば、こんな嬉しいことはないのでございますが。
- 匆々 草々 そうそう 草草。书信末尾的谦辞,含书信简单请原谅之意。(手紙の末尾に書いて簡略をわびる語。) 顧みる 顾虑。(気を配る。気遣う。心配する。) では、失礼を顧みず、お願いまで。匆々そうそう。
此文章版权归Kisugi Takumi所有,如有转载,请注明来自原作者